乙女ゲーム回顧録

自分がプレイした乙女ゲームを語るブログ。

勿体ない作品

本当にこの一言に尽きると思う。

今更ながら「ニル・アドミラリの天秤」の感想を語ります

というのも、この作品に関しては語りたいこと、もの申したいことが多すぎるんです

けして、ダメな作品というわけじゃないんです。

むしろ良作なんです。

色んなサイトなどのレビューを読んでいても思うんですが、

きっとこのゲームのすべてのルートをプレイされた方の大半がもやもやしてしまう、複雑な気持ちになったんではないかなーとも感じたりします。

(つい先日も同じような気持ちになった友達と散々語った訳なんですけど)

まずシナリオが戦場の円舞曲の方で、原画がさといさん、しかも舞台は大正時代、

まず間違いない俺様ヒーロー系の同僚からツンデレ、可愛い系、クーデレ、何やら影のありそうな医学生と豊富なキャラバリエーションに、

和綴じ本を巡る謎めいたストーリーに発売前からワクワクが収まりきれませんでした。。

(ガルスタめっちゃチェックしたしSSも全部読んでた!)

発売日、ついにプレイできる!と意気込んでプレイし始めました。

構成は戦場~の時とほぼ同じ。大体1ルート十数章ある感じ。

各章ごとにアイキャッチが入る。

こういうアニメっぽい演出が好きなDなんだなーと。

その演出も世界観を壊さず、BGMも相まって終始ノスタルジックな雰囲気に浸れました。

システムに関してもチャートできちんとわかる仕組みになってるのでかなり親切設計。

共通ルートに関してはやや蛇足な部分がありつつも順調に話が進む。

ただ個人的に感じたことを述べると、共通ルートすごく短く感じました。

なんだろう、その前に共通ルートがやたら長いゲームをいくつかやったからかな。。。(あやかしごはんとかスイクラとか)

ではここからは個人ルートについて。(わたしが攻略した順番で述べます)

★汀紫鶴

とても胡散臭そうでド変態な小説家さん。

いきなり悪口みたいですみません。でもこの人はある意味見た目通りですね

鈴村さんのこういうお色気キャラ久々に攻略すんなーと新鮮な気持ちでプレイし始めたら、

まあまあ恋愛色の濃い展開で。

エロには耐性あるつもりですが、いきなりの緊縛シーンはちょっと引いたw

そして、あれーこの人攻略キャラの中で唯一の大人キャラじゃなかったっけーとわからなくなってしまう程大人げない描写がチラホラ。かわいいお兄さんでした。

この人の場合は最初から主人公に好き好き言ってるんですが、きっとルートの途中で徐々に主人公に嵌っていったんだろうなという感覚でした。

終盤で一番びっくりしたこととして、エンドロールが突然すぎました。予想できず○ボタン連打してたら飛ばしてしまいました。

★星川翡翠

初心そうに見えて何だかんだ案外肉食少年。

どんなピュアッピュア少年かと思いきやええええ公園で路チューとかしちゃうのおおと結構衝撃でした。

遊郭で育った男子ですからそういう知識も持ち合わせてるんですって。ええ。

汚らわしいとか言いつつお前・・・と。思春期ってこわい。

でもストーリーは翡翠の親に関わることで、終盤の絵本のシーンは感動してしまいました。

★鵜飼昌吾

何かと面倒事を持ち込んでくるツンデレ御曹司。

公式おススメ攻略順ではこの人を最初に推されてたんですが、私は頭が良くなさそうなツンデレが全く得意ではないので、なんとなく後回しにしてしまってました。

好きな人本当ごめんなさい。

いやあほんとダメダメな御曹司様でいらっしゃいまして!でもそこが愛しい!

そう感じるまですげー時間かかりました。いつになったらデレるんや・・・と正直中盤はイライラすらしました。

しかし終盤にかけて、怒涛の成長ぶりでしたね。

何だあれか、主人公と一線超えて思考も()

★鴻上洸

裏の顔バレが早すぎた不器用残念青年。

いや早すぎた!主人公にカミングアウトするの早すぎ!主人公も馬鹿正直に相談しすぎ!

不器用だが手が早いという新種男子。

映画館でなんの前触れもなしにチューしてきた時はびっくりした。

本筋では、いやいやなんでやねん、なんでそーなってんと突っ込まざるをえないシーンがちらほら。(「ほら、股開けよ」のシーンとか)

四木沼さんに強姦されたり、まさかの洸に強姦されそうになったり、最後の四木沼さんとの決戦は思いのほかあっさりしてたり。

なんだか設定の割にストーリーは粗いイメージでした。てか主人公がかわいそう。

★鷺澤累

気弱そうで一番肝が据わってるロールキャベツ男子

多分、この人が一番好きです。個人的に。

なんかあるだろうこの人、と発売前から気になってたキャラでもあります。

主人公に偶然を装って会うようにしたり、会ったときは絶対何らかのアプローチをしてくる。

行動からして、なんか裏があるだろー主人公のこと好きに見せかけてなんか企んでるだろーとか思ってたんですが

主人公への想いは純粋なもので意外でした。

裏の顔も正義感に満ちていて、ダークヒーローと公式で言われていましたが普通にメインヒーローでないかと思ってしまうくらいに良識的な人でした。

…個人的にはもっと人間的にどっか欠けててもいいと思ったんですがねw

★尾崎隼人

納得がいかないメインヒーロー。

1番人気なんですよね。それなのに申し訳ない。イケメンだし頼れるし優しいし、文句ない完璧具合。

でもどうしても納得いかない。

本当に、この人なんでメインにしてしまったんだろうと考えてしまうレベル。

いや違うか、メインなのはまだいい。なんで隠さんを彼のルートと結び付けてしまったんだろうと不思議でした。

ルート中、隠さんの話が濃すぎて、隼人のことを忘れてしまいそうになるくらい。

なのに、終盤の隠さんはいきなりの狂人ぶりで。

しかもその後の描写も改心した様子すら映されず。

何だか救われなくて、隠さんに同情しかしませんでした。

エピローグで出た隼人の設定には取ってつけた感じしかしない。

ご都合設定すぎて、素直によかったね〜とも思えない。

隼人自身の家のこととか、彼自身の話がほぼないように感じました。あったとしても隠さんに埋もれるくらい彼のエピソードが薄い。

彼自身の色んな側面を知りたいのに。

メインのストーリーに絡ませたいが為に隼人の個性から何から全てそぎ落とされたようなイメージ。

さらに納得がいかないのは隼人ルートと内容がほぼ一緒の隠さんルート。

まず内容が一緒ってだけでなぜ?と疑問を持たずにはいられない。

容量の問題なのか?真相ルートといっても隼人ルートの追加シナリオという感じのイメージでした。

一応は隠さん救済ルートともいえましょうが。

救済はできたものの、本当に隠さんが可哀想でしかない印象が濃くて。これはもったいないなーと感じざるをえなかった。

せっかく主人公との恋愛要素もうっすらあったんだから、ちょっとでもそこを強調しておけば感動も少し増えたろうに。

全体を通して、各所の描写は丁寧なところも多いのに、どうしてそこだけ雑になった?と疑問を抱いてしまう部分が所々目立ちました。

あと、すごく雰囲気は良いのに、どこか取ってつけた感じがしたのは、きっと時代背景やキャラの言葉遣いが少し現代に寄っていたからかな、と思いました。

そして、安直なエロが多かった。

テーマが官能だそうなのでエロ要素は盛り込むとしても、もう少しそこに至るまでの過程が欲しかった。

エロゲーと違う展開を見せてほしかったのに、これじゃエロゲーの方がまだ描写が丁寧かもしれない、とすら感じてしまいました。

表現が薄く、展開が急すぎたのがマイナスポイントでした。

手記も楽しかったのですが、そこを充実させるのなら隠さんルートやヒタキのことなどについてもう少し掘り下げるべきだったんじゃないかと思いました。

良い点は最初に触れたので述べませんが、それでもわたしはこのゲームが好きです。

久々にこうして語りたくなったゲームでしたしね。

初動1万は超えたそうで、FDは出るだろうと思いますので、FDで補完してくれることを期待してます。